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Relayによるセキュリティとソフトウェアのアップデートの配布

Deep Security環境の最大限の保護を実現するには、次の2つのコンポーネントを定期的にアップデートする必要があります。ソフトウェアのアップデートでは、 Deep Security エージェントに新機能と改善点が追加されました。セキュリティアップデートでは、新しい脅威に対してすぐに保護機能が提供されます。

Deep Security リレーは、これらのアップデートの配信を最適化するのに役立ちます。リレーは、ソフトウェアとセキュリティのアップデートを他のDeep Security AgentおよびVirtual Applianceに配信できるエージェントです。Relayには次の機能があります。

  • アップデートトラフィックを形成することにより、WAN帯域幅のコストを削減します。
  • アップデート配布のための冗長性を提供します。

リレーは Deep Security 配置の必須部分です。環境内には、Relayが1つ以上存在している必要があります。

まずRelayの仕組みについて学び、次に使用するRelayの数を決定する方法について学び、最後に1つ以上のRelayを設定する方法について学びます。

必要に応じて、AgentからRelay機能を削除することもできます。

Relayの仕組み

Relayは、WAN接続を介して直接トレンドマイクロのアップデートサーバからセキュリティアップデートをダウンロードし、Deep Security Managerからソフトウェアアップデートをダウンロードします。Relayを使用する場合、セキュリティアップデートとソフトウェアアップデートは、WAN接続を介して一度だけダウンロードする必要があります。リレーは、アップデート配信センターとして機能し、セキュリティとソフトウェアのアップデートは、マネージャによって指示されると、他のクライアントによってダウンロードされます。

Deep Security Managerに接続してアップデートをダウンロードできない場合、RelayはDeep Securityダウンロードセンターから直接アップデートをダウンロードします。

セキュリティアップデートと、Relayによるセキュリティアップデートの配布方法の詳細については、セキュリティアップデートの取得と配布を参照してください。

RelayはRelayグループにまとめられます。Relayをグループにまとめることで、アップデートの負荷が複数のRelayに分散され、Deep Security環境に冗長性が追加されます。

Relayグループは、配布階層の一部にすることもできます。Relayグループの配布階層を作成することで、以下の項目を指定してパフォーマンスと帯域幅の使用をさらに改善できます。

  • AgentがセキュリティアップデートとソフトウェアアップデートをダウンロードするRelayグループ
  • Relayグループがセキュリティアップデートとソフトウェアアップデートを互いにダウンロードする順序

使用するRelayの数を決定する

Deep Security環境には少なくとも1つのRelayが必要ですが、Trend Microでは、ベースラインとして、環境に少なくとも2つのRelayを使用することをお勧めします。ただし、次の項目に応じて追加のRelayを使用する必要がある場合もあります。

Agentの地域

Agentは、同じ地域のRelayグループからアップデートをダウンロードすることをお勧めします。複数の地域にAgentがある場合、各地域には少なくとも1つのRelayがある独自のRelayグループが必要です。

ネットワーク設定

ネットワーク設定では、AgentのネットワークセグメントとリモートDeep Security Managerまたはトレンドマイクロのアップデートサーバの間に、帯域幅の低いWAN接続、ルータ、ファイアウォール、またはプロキシが含まれる場合があります。これらの設定が原因で、ソフトウェアアップデートとセキュリティアップデートの配布が遅くなるボトルネックが発生する可能性があります。これらの設定の影響を軽減するには、各ネットワークセグメント内にRelayを配置する必要があります。

ネットワーク帯域幅の使用

Agentへのセキュリティアップデートとソフトウェアアップデートのダウンロードにより、ネットワークが集中的に使用される可能性があります。Relayを使用することで、どのようにネットワーク帯域幅を使用してアップデートを配布するかを決定できます。Relayをネットワークセグメント内に配置することで、Relayがそのセグメントのセキュリティアップデートとソフトウェアアップデートの単一のダウンロード元になります。その後、AgentはローカルRelayからアップデートするため、WAN接続からローカル内部接続にアップデートをダウンロードするために必要となる全体の帯域幅が削減されます。

サイジングの推奨設定

より多くのRelayを有効にする前に、Relayとして有効にするコンピュータがDeep Security AgentおよびRelayのサイジング要件を満たしていることを確認してください。また、ご利用のエージェントでRelay機能がサポートされていることも確認してください (各プラットフォームでサポートされている機能を参照してください)。

ほとんどの環境では、冗長性のために少なくとも2つのRelayを配置することをお勧めします。RelayはDeep Security Managerと同じ場所に配置できます。ただし、前述のように、配置するRelayの数を決定する際には、地理的な位置、ネットワーク設定、およびネットワーク帯域幅などの要素も考慮する必要があります。環境内に (10,000を超える) 多数のAgentがある場合は、Relayを専用のシステムに配置する必要があります。

次の場合も、Relayを追加できます。

  • 環境のネットワーク設定が変更された場合。
  • アップデートの配布に追加の冗長性を提供する必要がある場合。
ネットワーク上に不要なRelayを配置すると実際にはパフォーマンスが低下するため、必要な数のRelayのみを使用する必要があります。Relayには通常のAgentよりも多くのシステムリソースが必要です。

1つ以上のRelayを設定する

Relayを設定するには、次の手順を実行する必要があります。

  1. 1つ以上のRelayグループを作成する
  2. 1つ以上のRelayを有効にする
  3. AgentをRelayグループに割り当てる
  4. セキュリティアップデートとソフトウェアアップデートのためのRelay設定を指定する

1つ以上のRelayグループを作成する

すべてのRelayは、Relayグループに属する必要があります。Deep Security Managerのインストール中にDeep Security Relayをインストールした場合は、初期設定のRelayグループが自動的に作成されています。追加のRelayグループを作成することもできます。

各Agentは、割り当てられたグループ内のRelayがランダムに並べられたリストから、アップデートのダウンロードを試みます。特定のRelayからの応答がない場合、Agentはアップデートを正常にダウンロードできるまでリストから別のRelayを試します。このリストはAgentごとにランダムなため、アップデートの負荷はグループ内のRelayで均等に共有されます。

  1. [管理]→[アップデート]→[Relayの管理] に進みます。
  2. [Relayの管理] ウィンドウで、[新規Relayグループ...] をクリックします。表示された [Relayグループのプロパティ] 画面で、Relayグループの設定を指定します。
    • Relayグループの [名前] を入力します。
    • [アップデート元] を選択します。このアップデート元により、Relayグループがセキュリティアップデートをどこからダウンロードして配布するかが決まります。アップデート元には、次のいずれかを使用できます。
      • セキュリティアップデート元
        初期設定では、セキュリティアップデート元はトレンドマイクロのアップデートサーバですが、代わりにローカルミラーに設定できます。初期設定のRelayグループは、常にセキュリティアップデート元を使用します。詳細については、セキュリティアップデート元および設定を指定するを参照してください。
      • 親Relayグループ
        すでに他のRelayグループを作成している場合は、そのいずれかをアップデート元として使用するようにRelayグループを設定できます。

      Relayグループのアップデートダウンロード元を選択する際には、コストと速度の要件に最も適したダウンロード元を選択する必要があります。Relayグループが配布階層の一部である場合でも、セキュリティアップデート元からアップデートをダウンロードする方が安価または高速である場合は、必ずしも親グループのRelayからアップデートをダウンロードする必要はありません。

      非常に大規模な環境でのパフォーマンスを向上させるには、複数のRelayグループを作成し、階層内にRelayを配置します。1つ以上の第1レベルのRelayグループがトレンドマイクロのアップデートサーバからアップデートを直接ダウンロードしてから、第2レベルのRelayグループが第1レベルのグループからアップデートをダウンロードします。以降のレベルも同様です。ただし、各グループレベルで待ち時間が追加されるため、Relayグループのレベルが多すぎると、Relayによる帯域幅の最適化よりも合計待ち時間の影響が大きくなり、パフォーマンスが低下する可能性があります。
    • セキュリティアップデート元にアクセスするためにRelayが使用する必要がある、[アップデート元のプロキシ] (ある場合) を選択します。

      初期設定のRelayグループを除くすべてのRelayグループを、プロキシサーバ経由でセキュリティアップデートをダウンロードするように設定できます。初期設定のRelayグループは、Deep Security Managerと同じプロキシを使用します。 プロキシの背後に配置されたAgentの接続 および 不正プログラム対策およびルールアップデート用にプロキシを設定する (CLI).

      Relayグループがセキュリティアップデート元を使用するように設定されている場合、Relayはこのプロキシを使用します。または、このRelayグループが別のRelayグループからセキュリティアップデートをダウンロードするように設定されている場合、Relayは親Relayグループに接続できない場合を除いてプロキシを使用しないため、セキュリティアップデート元への接続を試みます。

      Deep Security Agentバージョン10.0以前では、プロキシ経由でのRelayへの接続はサポートされていません。 アプリケーションコントロールルールセットのダウンロードが に失敗し、プロキシが必要な場合や、エージェントが中継またはマネージャにアクセスするためにプロキシを必要とする場合( Deep Security as a Service ), を含む場合)、次のいずれかを実行する必要があります。
  3. Relayグループをさらに作成する必要がある場合は、上記の手順を繰り返します。

1つ以上のRelayを有効にする

  1. [管理]→[アップデート]→[Relayの管理] に進みます。
  2. Relayグループをクリックして選択します。
  3. [Relayの追加...] をクリックします。

  4. [使用可能なAgent] リストからコンピュータを選択し、[Relayを有効にしてグループに追加] をクリックします。検索フィールドを使用してコンピュータのリストをフィルタできます。

    コンピュータがRelayグループに追加され、Relayアイコン () が表示されます。

  5. コンピュータでWindowsファイアウォールまたはiptablesが有効になっている場合は、Relayの待機ポート番号への受信接続を許可するファイアウォールルールも追加します。
  6. Relayをプロキシ経由で接続する必要がある場合は、プロキシを経由してAgent、Appliance、Relayをセキュリティアップデートに接続するを参照してください。

    新しくアクティブにされたリレーは、マネージャによってセキュリティアップデートの内容をアップデートするように自動的に通知されます。

AgentをRelayグループに割り当てる

Relayグループには手動でAgentを割り当てることや、イベントベースタスクを設定して自動的にAgentを割り当てることができます。

  1. Deep SecurityManagerで、[コンピュータ] に進みます。
  2. コンピュータを右クリックして、[処理]→[Relayグループの割り当て] の順に選択します。

    複数のコンピュータを割り当てるには、リスト内のコンピュータをShiftキーまたはCtrlキーを押しながらクリックし、[処理]→[Relayグループの割り当て] の順に選択します。

  3. 使用するRelayグループをリストから選択するか、[コンピュータの詳細] 画面の [アップデートのダウンロード元] を使用してRelayグループを選択します。

セキュリティアップデートとソフトウェアアップデートのためのRelay設定を指定する

Deep Security Managerは、[管理]→[システム設定]→[アップデート] 画面で、セキュリティアップデートとソフトウェアアップデートを実行するためにRelayが使用される方法に影響を与える追加の設定を提供しています。

セキュリティアップデート

  • 8.0および9.0のAgentのアップデートを許可: 必要に応じてこのオプションを選択します。Deep Security Manager 11.0では、ほとんどのプラットフォームでDeep Security Agent 9.0以前をサポートしないため、初期設定ではこれらのアップデートをダウンロードしません。サポート状況についてはDeep Security Agentのプラットフォームを参照してください。
  • すべての地域のパターンファイルをダウンロード: マルチテナントモードで稼働していて、いずれかのテナントが他のリージョンにある場合は、このオプションを選択します。このオプションの選択を解除すると、RelayはDeep Security Managerがインストールされたリージョン (ロケール) のパターンファイルのみをダウンロードして配布します。
  • プライマリテナント Relay グループを初期 Relay グループとして使用する(割り当てられていないリレーの場合)): プライマリテナント Relay グループを使用します。初期設定では、他のテナントは、プライマリテナントのRelayにアクセスできます。この場合、テナントに独自のRelayを設定する必要はありません。他のテナントがプライマリテナントのRelayを共有しないようにするには、このオプションの選択を解除し、他のテナント用の別のRelayを作成します。
    このオプションの選択が解除されている場合、[管理]→[アップデート]→[Relayグループ] の順にクリックすると、Relayグループ名は「プライマリテナントのRelayグループ」ではなく「初期設定のRelayグループ」になります。
    この設定は、マルチテナントモードを有効にしている場合のみ表示されます。

その他のセキュリティアップデートの設定の詳細については、セキュリティアップデートの取得と配布を参照してください。

ソフトウェアアップデート

  • [Deep Security Managerにアクセスできない場合、トレンドマイクロのダウンロードセンターからのソフトウェアアップデートのダウンロードをRelayに許可] オプションは、Deep Security Managerをエンタープライズ環境に展開し、クラウド環境でコンピュータを管理している場合に役立ちます。このオプションを有効にしてクラウド内にRelayを設定すると、そのRelayはダウンロードセンターから直接ソフトウェアアップデートを入手できるようになります。ソフトウェアを手動でアップグレードしたり、クラウドからエンタープライズ環境へのポート番号を開いたりする必要はありません。

その他のソフトウェアアップデートの設定の詳細については、アップグレードについてを参照してください。

AgentからRelay機能を削除する

次の場合に、Relay有効化済みAgentからRelay機能を削除できます。

  • 環境内にRelay有効化済みAgentが多すぎるため、通信速度が遅くなった場合。
  • AgentがインストールされているコンピュータがRelay機能のための最小システム要件を満たしていない場合。

Deep Securityは、Deep Security Virtual Applianceで保護された仮想マシンをvMotionにより移行する際に、Relayを使用してデータを保存します。環境内でvMotionを使用して仮想マシンを移行している場合、特定のAgentからRelay機能を削除すると、移行対象の仮想マシンに対する保護が失われ、Virtual Applianceのセキュリティイベントも失われる可能性があります。

  1. [管理]→[アップデート]→[Relayの管理] に進みます。
  2. Relay機能を削除するコンピュータがあるRelayグループの横の矢印をクリックします。
  3. コンピュータをクリックし、[Relayの削除] をクリックします。

    Agentのステータスが「無効化しています」に変わり、Relay機能がAgentから削除されます。

    Relay機能がAgentから削除されるまでに、最大で15分かかる場合があります。Agentがこれよりも大幅に長く「無効化しています」状態になっている場合は、Agentを無効化してから再有効化し、AgentからのRelay機能の削除を完了します。